空っぽを求めれば求めるほど
あふれ出すまで自分を満たすしかないと
気づきます。
満ちた瞬間にしか空へ向かえないのかも知れません。
何も動き出さなくて待ち続けるしかなかった時に
小さなイメージが連なってものがたりになりました。
季節のように終りのない、巡りゆくものがたりです。
「殻荼羅 empty mandala」
彼岸花があかく咲き乱れる
空は高くて高い
いつのまにか
からだも旅に出る
川なのか海なのか
どこなのか分からない水の上に
浮かぶ船
月なのか太陽なのか
いつも何かが
波を照らしてる
島に向かうのか
大陸に向かうのか
行き先は
そこに着けば分かる
正方形の土地に辿り着く
どの道を行っても
あたたかな人や
意地悪な人が暮らしている
たわわに実る葡萄の房
行き場を失ったごみ溜め
愛を語り合うささやき声
汚くののしりあう叫び声
ありとあらゆるモノが
ここにはある
ふと気になる
ふたつの奇妙な実
どちらに手を伸ばそうか
ふたつともいただいてしまおうか
よくある童話の
貪欲な登場人物のように
薬になっても毒になっても
美味しい魅惑の果実
目が覚めると
手のひらに
ふたつの殻
夢か現か
とりあえず
今ここにいる
このからだは
光と影の中
いつか覚める夢
変わりゆく現
幻であっても
ここには
何もなくて
すべてがある
そして
乾いたら
また
水を求めて
旅に出る
2006/10/1-14 神戸 アトリエ2001にて